春は水温が上昇し、バスが冬の寒さから徐々に解放されて活発的に動き出す季節です。
また水温が15度前後になると、バスにとって1年の中で最も大きなイベントである、スポーニング(産卵)の時期です。
そのため、体長だけではなく重量も含めて、春は1年の中で大きなバスが釣れる可能性が、最も高い時期と言えます。
私も毎年春は40upや50upといった大きなバスを手にできる、バス釣りで1番ワクワクする季節です。
しかし、釣り方を間違ってしまうと全く釣れず、当たりすら得ることができないということもあります。
春のバス釣りは当たり、外れが大きいとも言われます。
今回はそんな気難しい春のバス釣りの攻略法について、お伝えしたいと思います。
スポーニングについて知ろう
まずは、バスにとって春の時期に外すことができないスポーニングについてお伝えしたいと思います。
1. 産卵を控えたバスが深場と浅場を行き来しながら、浅場でエサを捕食する
2. オスのバスがネストを作り、メスのバスを呼び込む。
3. メスのバスは産卵後、体力回復のため深場へ行く。オスのバスはネストに留まり、生まれた卵を2~3週間ほど守る。
4. メスは産卵で体力が低下し、オスは卵を守るためボロボロになり、釣れにくくなる。
5. 徐々に体力が回復し、活発的にエサを食べるようになる。
上記の通り、1と5が比較的釣りやすい状況です。
またスポーニングに絡んでいるバスはその状態によって、下記の3つに分かれます。
個々に説明していきます。
プリスポーン
メスのバスが産卵する前の状態のことを言います。
おなかの中に、多くの卵を蓄えている状態です。
重量があり多くのバスアングラーが、この魚を釣るために、春にバス釣りに出かけます。
水温が10度ぐらいまで上がってくると、徐々にバスは冬にいた深い場所から浅い所に向かい始めます。
この時期の狙い目としては、徐々に浅くなる遠浅のかけ上がりではなく、浅い所のすぐ近くに深場があるようなポイントがお勧めです。
浅い所のすぐ近くに深場があるようなポイントがお勧めです。
バスが容易に浅い所と深い所を移動することができるため、この時期に釣りをするには外せない場所です。
さらに有力なポイントは、ネストと呼ばれるバスが産卵する、産卵床を作るのに適した場所です。
水深が1.5メートル前後の比較的底質が硬い、ハードボトムと呼ばれる場所が作るのに適した場所です。
またネストができたポイントを覚えておくと、ほぼ毎年そこにネストを作る可能性が高いため、翌年以降の春の攻略にも役立ちます。
このタイミングでは、まだ水温が安定していないので、深場と浅場を行き来することが多く、タイミングによって浅場で釣れる時と釣れない時があります。
そこまでバスの動きが俊敏はないことが多いため、ジャークベイトやシャッド等でストップ&ゴーやジャークといったルアーを止めるアクションを入れてあげること大切です。
ルアーを止めることで、バスがルアーを食べるタイミングを作ってあげます。ルアーを止める時間も、水温が低い時は長めに5秒程度取るのが良いと思います。
しかし、私はこの止めるといった動作が苦手で、意識していても気づくとかなり早くルアーを動かしてしまうのが、課題になっています。
それでも数年前に春の野池でジャークベイトを使い、なんとか40upのバスを釣り上げたことがありますが、やはりその止めたタイミングでバイトがありました。
その前まではクランクベイトを使ったり、ワームでじっくりとした釣りも行っていましたが、うまくその時のバスの状態に合った釣りができた瞬間でした。
そして、水温が15度以上になり安定して落ち着いてくるとメスのバスは産卵のために、多くの栄養が必要になるため、活性が高くなり、浅いエリアで積極的に捕食行動を起こすようです。
この時期にお勧めのルアーとしては、大きめのスイミングジグやバイブレーションで一定のレンジを引くのが良いと思います。
水質が濁り気味ならバイブレーションで、クリアならスイミングジグという使い分けが一般的です。
ミッドスポーン
産卵中、その直前、直後をミッドスポーンと言います。プリとアフターの中間です。
バスの産卵は1回ではなく、2,3回行われると言われています。
そのため、プリとミッドの間の状態ともいえる個体も存在します。
栄養と卵を蓄えたメスのバスが、オスの作ったネスト付近に現れるようです。
すぐに産卵するのではなく、一定の期間、オスとメスのバスがペアリングと言って2匹で泳ぐ姿を見ることがあります。
産卵後、メスのバスは体力回復のため、深場へ移動します。
オスのバスは生まれた卵を守るためにネストに残り、他の生物から卵を守ります。
その間、オスのバスは捕食行動をせずに、ただひたすらブルーギル等の他の魚が近づいてきたら、ネストから追い出すようにします。
この習性を利用して、ビックベイトやヘビーダウンショットで釣る方法があります。
このネストを守っている状態のバスは、仮にルアーがバスに当たっても、一瞬その場を離れることがありますが、数秒~数十秒で戻ってきます。
こんな状態になるのは、スポーニングの時だけです。
通常は、バスの近くにルアーを投げたり、ラインがバスに当たれば逃げてしまうのですが、この時期のバスはかなり特別な状態になっています。
その習性を利用して、何度もルアーをネスト付近に通したり、またバスにわざとルアーを当ててイライラさせることで、最終的にバスに口を使わせるというやや強引な釣り方があります。
しかし、このネストを守っているバスを釣るということは、卵を守るバスがいなくなってしまうことを意味します。
そのため、個体数の減少につながってしまうため、あえてネストのバスは狙わないということをポリシーとしている釣り人もいます。
アフタースポーン
メスのバスは産卵で、オスのバスは卵を守るため、ボロボロの状態です。
そのため、この体力の消耗した状態ではなかなか口を使わなくなり、一時的に釣りにくくなります。
しかし、ここから徐々に体力が戻ってくるのに合わせて捕食行動を起こすようです。これが再びバスを釣る大チャンスです。
水温の上昇もプラス要素になり、バスが行動しやすくなるため、ハードルアーで釣りやすくなる時期になってきます。
季節だと5月前後ですが、実際に体力回復のために、ザリガニを食べに浅場に上がってきたバスを狙い打ちをしたことがありました。
琵琶湖のある流入河川でザリガニが多く生息しているポイントがあり、おそらくそれを狙ってバスがいるだろうというポイントに、ザリガニに似せたラバージグとクロー系ワームのセットで、釣りをしていたところ、50upと45upのバスを同じポイントで釣ることができました。
バスが食べているエサとそれをどこで捕食しているかがわかれば、比較的容易に口を使ってくれる時期のため、大きなバスを釣るには最高のタイミングだと思います。
また春には赤い色のルアーが釣れるという、バス釣りにおける都市伝説のようなものが言われています。
まさに私がこの時に体験した出来事が、それに当てはまっていると思います。
しかし、注意しなければいけないのが、あくまでアメリカザリガニを捕食するバスがいるポイントで釣れたということです。
アピールするために赤い色が有効だったという状況もあると思いますが、やはり基本はバスが捕食しているものに着目してルアーを選択することが大前提です。
ワカサギを食べているバスへ赤い色のルアーをキャストするよりも、当然ワカサギに似たシルバー系の色のルアーをキャストした方が、バスが口を使う確率は高くなると思います。
春の攻略手順
春のバス釣りにおいてスポーニングは、外すことのできないポイントではあります。
しかし、初めて行くフィールドではなかなかバスの状態を把握するのは難しいと思います。
もし私が初めて行く野池で春に釣りをするなら、どういった流れで釣りを組み立てるかということをお話したいと思います。
1.まず池を1周して観察する。
まず池に着いたら、すぐに釣りを開始するのではなく、歩いて池を1周まわります。
1本ぐらいロッドは持っていても良いと思いますが、基本的にキャストはせず、特に浅いところを中心に観察し、ネストができているのか、大きな見えバスはいるのかという点に注意しながら、池の状況を確認します。
その際に水温を、チェックするのも良いと思います。
また他に釣り人がいて、動かずに水面をみながらキャストしていたら、ほぼネスト狙いか、浅い所の見えバスを狙っていると考えて良いと思います。
周りの釣り人の釣り方を見るだけでも、バスの状態やその池の春の進行状況を知るヒントです。
2.1の結果から、釣り方を決める。
その結果を元にまだネストができていないなら、プリスポーン状態かもしくはその前段階の可能性が高く、冬寄りの釣り方で浅場が隣接する深場を狙います。
逆にネストができている等、浅場にバスが見えるようであれば、ミッド前後の状態と仮定して釣りをします。
バスが見えるとすぐに、ルアーをキャストしたくなると思いますが、この時期のバスは、再び同じ所に戻ってくる可能性が高いため、バスの動きを確認し、見えているバスがどんな状況なのかを把握することが重要です。
もし見えているバスが、ネストの卵を守っているオスのバスだった場合、個人的にはそのバスを釣る事は極力しないようにしています。
もし状況がつかみにくかった時は、浅いところをハードルアーでチェックし、反応がなければ別の池に移動するもの良いと思います。
同じ地域でも、池によってバスの状況が異なるケースがほとんどですので、釣りやすいバスがいる池をラン&ガンでまわった方が、釣れる可能性が高くなります。
もし、ルアーには反応したけど、口を使わなかったバスがいたら、時間を変えて再度そのポイントに入りなおすことで、バスの反応が変わり、口を使うこともありますので、1日の中でも何回かチャレンジするのも有効な方法だと思います。
まとめ
スポーニングについて知ろう
- プリスポーン・・・メスが産卵前の状態
- ミッドスポーン・・・産卵中もしくはその直前、直後の状態
- アフタースポーン・・・産卵後の状態
釣りやすいのは、プリスポーンもしくはアフターから回復傾向のバス。
ネストのバスを狙うかは、釣り人のポリシー次第。
春の攻略手順
- まずは、フィールドを1周して、状況を確認する
- そのフィールドのバスの状態を確認して、釣り方を決めていく
春の期間は1年で1度きりです。
バス釣り人生の中で、春に釣りができる回数は限られています。
今回お伝えしたものをご参考にしていただき、貴重な春のシーズンをおもいっきり楽しんでいただけたら幸いです。
幼かった時に、遠足の前にワクワクしていた気分を、大人になった今でも味わえる春のバス釣りに出かけましょう。
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