バスは駆除しなくちゃいけないの??釣り人に何ができるのか?

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ブラックバスを釣ったらリリースしない方がいい!

悪い奴だから駆除しよう!

ブラックバスを釣ったらリリースするのは最低限のマナー!
ブラックバスを駆除するなんてかわいそう!

確かに、生き物の命をいたずらに奪うのは良くないことだと思います。

なぜバスを駆除する必要があるのでしょうか?

駆除をしないで済む方法はないんでしょうか?

今回はなぜバスがこんなに悪者にされているのかなぜ除しか対策方法がないのか。その理由をご紹介していきます。

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外来種と在来種

 

外来種とは、人の手によって持ち込まれたその土地には本来いない生物のことを指します。

在来種とは、もともとその土地に適していて長年生息している生物のことを指します。

もともと在来種の中だけで成り立っていた生態系の中に、外来種がやってくるということは、これまで長い間守られてきたバランスが大きく崩れてしまう原因になってしまいます。

生態系とは不安定なものなのです。

生態系は不安定に安定している

 

  • 生態系とは

生物群集とそれを取巻く物理的・化学的環境がつくりだす機能的なまとまりをさす。この考えはイギリスの生態学者 A.タンズリーによって提唱された (1935) 。一つの生態系内で各生物は生産者消費者というような役割分担を有し,それらの間での物質およびエネルギーの流れの解析が,生態学の一分野として重要である。

引用:生態系(せいたいけい)とは – コトバンク、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

辞書とか百科事典とかなんで単純なことをわかりづらく説明するんでしょうね。

簡単に言うと、ある程度いろんな生き物がいるところではいろんなことが起こるよってことです。

そして、このいろんな生き物がいることを生物多様性といいます。

代表的な生態系は例えばアフリカのサバンナですね。

シマウマが草を食べてライオンがシマウマを食べる。

ライオンが死んだらそれが肥料になってまた草を生やす。これが生態系の中で起こる食物連鎖ってやつです。(めちゃくちゃざっくりですけどこんな感じです笑)

もっと小さな生態系では、家の庭も生態系が成り立っていますし、ひとすくいの土の中でも生態系が成り立っているとも言えます。

そういう意味では地球も一つの生態系とみなせますね。

引き続きサバンナの例を出しますが、例えばサバンナからシマウマがいなくなったら、いや数を減らしたらどうなるでしょう。

まず、ライオンのエサが少なくなります。もしかしたら共食いが始まるかもしれませんね。すると、ライオンは数を減らし、ゆくゆくは絶滅します。

対して草は食べられるシマウマがいなくなるので、際限なく増え続けます。ライオンもどんどん死んでいくので、繁茂し続けるでしょう。

するとたちまちサバンナは背の高い草が生い茂り、昼でも日が差さない暗黒の地になるでしょう。そうなると光合成をしている植物もゆくゆくは絶滅してしまいますね。

シマウマの数が減ってしまうだけでサバンナは将来、不毛の大地になってしまうんです。

生態系は非常に良くできたシステムなんですが非常にデリケートなんです。

先程、地球も一つの生態系だと言いましたが、我々も普段、肉や魚から栄養を頂いていますので、

単純計算ですが食べ物の量が半分になってしまったら、人間の数も半分になってしまいますよね。

安定しているけど、何かしらの原因があるとあっという間に不安定になってしまう。

それが生態系なんです。

なんで悪者?外来種の脅威とは

 

先ほども述べた通り、外来種とは人の手によって持ち込まれたその土地には本来いない生物のことを指します。

なので、自分の翼でやってくる渡り鳥は外来種にはあたりません。

外来種ってなんであんなに悪者にされるのでしょうか?理由は2つあります。

  • 食物連鎖に組み込まれていないので増え放題。
  • もともといたやつよりでかくて強い。

外来種は生態系の食物連鎖組み込まれてません。ですので、在来種を食い荒らし、もともとそれを食べていた生物の食べるものが減ります。

しかし天敵はいないので増えるだけ増えます。

さらに、日本にいる生物に比べ、海外の生物はでかくて強いことが多いです。

エサを奪い合ったら負けてしまいますし、そいつを食べようと襲おうものなら返り討ちに遭います。

すると、そこにいた在来種たちは数を減らし、ゆくゆくは絶滅してしまうかもしれませんね。

そうなれば、その外来種のみが存在する状態になり、生物多様性が失われ、在来種の繋いできた遺伝子もそこで途絶えてしまうことになります。

最強の外来種ブラックバス

 

なんでバスがここまで目くじらを立てて叩かれているのでしょうか。

答えは簡単です。でかくて強い外来種の中でもめちゃくちゃでかくて強いから。

ブラックバスは、獰猛な肉食魚(フィッシュイーター)です。

普段はカエルやアメンボ魚類ザリガニやエビなどの甲殻類も食べます。

ざ、ザリガニ!?結構でかいもん食べるんだな…

驚くのはまだ早いですよ。こいつらなんと、アヒルやカモのヒナなどの鳥類ネズミなどの小型の哺乳類も食べることもあります。

まるでピラニアのようですね。戦わせたら身体が大きい方が勝つんですかね……

繁殖力も高く、さらにはオスが卵や稚魚を外敵から警備する習性もありますので、成長する中で死んでしまうということもあまりありません。

こんなにも強いので、バスは危険視されているのです。

共存はできないの?はい、絶対に無理です。

 

「バスが爆発的に増えた後に減少し、やがて安定し、バスが組み込まれた生態系が形成される。だから、バスとの共存は可能だ。」

という意見を散見します。まず結論からいいます。バスと在来種の共存は残念ながら無理です。

そもそも、バスが増えた後に減少するのは、ただ単に食べ過ぎでエサが減ったからです。ここで言うエサとは在来種のことですね。

これも一見、バスを頂点とした生態系が形成されたように思いますが、そのバスのエサとなった在来種が食べていた水草や魚はどうなるでしょうか?

水草は当然、食べる生き物がいなくなったんですから増え続けますよね。魚ならもしかしたら、バスが食べるかもしれませんが、それも本来の連鎖からは外れてしまっていますよね。

結局バスの一人勝ちとなり、バスを頂点とした食物連鎖ではなく、

バスという生物がただ一種類、そこに存在している。

という状態になります。生物多様性が失われている以上、それは生態系とは言えません。

先程も言った通り、生態系とはそれほどまでに脆いものなのです。

ブラックバスしかいないって何が問題なの?

経済的な影響がある

これはブラックバス市場なるものもあるので、正直いい効果もあるのですが、もちろん悪い効果もあるんです。

例えば、今では有名なブラックバス釣りスポットの琵琶湖。

かつて琵琶湖は有名な鮎の名産地で、それを獲って生計を立てていた方もいました。

しかし近年、鮎の漁獲量は激減しており、一説には最盛期の1/10にもなってしまったそうです。

原因はやはりブラックバスを筆頭にする外来生物。彼らが琵琶湖の生態系を崩してしまったのです。

鮎や、他の在来種で生計を立てていた漁師さんたちの生活はどうなったのでしょうか?

また、鮎の漁獲量が激減したことにより、我々消費者にも影響が出てるのは言うまでもありませんね。

祭りなどの出店では「鮎の塩焼き」が1匹500円するのが普通ですが、漁獲量が10倍だったらもっと安くいただけるはずです。

ブラックバスしか釣れなくなる

生態系が破壊されると生物多様性が失われます。要は外来生物以外の生物がいなくなるってことです。

そもそも釣りの面白さって、淡水で言ったらフナも釣れたりコイも釣れたり鮎も釣れたり…色んな魚が釣れるから面白いんですよね。

狙った魚を釣るために色んな準備をして、思いもよらない魚が釣れたり、全く釣れなかったり、

それが釣りの面白さだと思うんです。

じゃあ、それがたった1種類の魚しか釣れなかったらどうでしょう?

例えばいかにバス釣りが好きな方でも、どこに行ってもバスが釣れたらどうでしょうか?

湖に行ってもバス、渓流に行ってもバス、落胆してもう今日は釣りはやめようと散歩をして、とふらっと立ち寄った公園の池にもバス、帰るための交通手段も路線バス……面白くないですか?

色んなものを釣れる釣り場を保持する。ゆくゆくはこれが我々釣り人の利益になります。

バスを責めるのはお門違い

 

私の話を聞いて、

「なんてブラックバスは悪い魚なんだ!!」

とは思わないでください。本当はバスには何の罪もありません。むしろバスは被害者なのです。

冒頭に話したことを思い出してみてください。

バスを含め外来種はどうやって日本に来ましたか?自分で泳いできたわけではありません。

そうです、人間が連れてきたのです。

もともとバスは、大リーグボールとか投げそうな名前のとある実業家が連れてきて放流したものです。

理由?釣って食べるため。ただそれだけです。

ただそれだけのために住み慣れたアメリカから強制的に連れてこられました。

テレビのなどでブラックバスをまるで絶対悪のように子どもたちに駆除させて、

いかにブラックバスが悪い生き物かということをレクチャーする企画がありますが、

あんなもの人間の責任をバスに転嫁しているに過ぎません。

人間が連れてさえ来なければバスはフロリダやカリフォルニアの湖で誰にも嫌われることなく、本当の意味で「共存」していたことでしょう。

本当は「私達のせいでごめんなさい」という気持ちで駆除をすべきだと私は思います。

我々釣り人にできること

 

絶対に心がけてほしいのはバスを釣ったらリリースをしない。ということです。

場所によっては「回収ボックス」が設置されているところもあります。

私も無意味に生物の命を奪うべきではないと思いますし、だからこそ、バスを釣ったら食べることを推奨しています。

バスのリリースで逮捕!?なら料理して食べてしまおう!!

2018年11月4日

それでも命を奪うのはかわいそう!!

それももちろん一理あります。しかし、その一匹のバスをリリースしてしまえばもともとそこにいた多くの在来種はどうなるでしょうか?

命を量で計るのはどうかとも思いますが、一匹のバスをリリースしないということは多くの在来種を救うことにつながります。

そして、在来種を救うことができれば、釣り場も守ることができます。結局は我々の利益につながるのです。

まとめ

  • 生態系というものは非常に不安定であるということ。
  • ブラックバスは外来種の中でも最強級であるということ。
  • 外来種は経済的にも悪影響があるということ。
  • 生態系が崩れてしまったら、釣れる魚もバス一種類になってしまうかもしれないということ。
  • バスとの共存は絶対に無理だということ。
  • 我々にできることは、バスをリリースしないということ。

外来種問題は人間が自然をコントロールし、都合よく作り上げていく過程で生じた問題です。

ブラックバスに限らずアライグマもアリゲーターガーもそもそもは人間の勝手な都合で連れてこられ、

そこで必死で生命活動を営み、子孫を増やしていった結果、またもや人間が勝手に特定外来種だの、侵略的外来種だのラベリングをし、悪者にしました。

外来種問題はある意味人間の犯した罪であり、その責任は釣り人はもちろんのこと、地球で生きる人類全てで負うべきであると思います。

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