どうせ釣りに行くなら誰だって釣果を上げたいですよね?
釣果を上げるために魚の生態を知っておくことは大切なことです。
そこで今回は比較的釣りやすく、皆さんが親しみやすい魚、アイナメについて紹介していきます。
アイナメはある理由から移動する範囲がとても大きい魚です。
当然ですが、アイナメのいない場所で釣りをしても絶対に釣れません。
季節ごとのアイナメのいる場所
アイナメを狙うべき時間帯
アイナメが好む場所
この3つをもとに戦略を立ててアイナメを狙いましょう。
本来は目の前にエサがあれば食ってくる魚ですので、アイナメの居場所さえ間違っていなければ、簡単に釣ることが出来るはずです。
まるで推理ゲームのような独特の面白さを是非とも体験してください。
目次
アイナメには浮袋がない!?
アイナメはカサゴやメバルなどと同じ種目に分類されますが、カサゴのようにヒレの棘は発達せず、背びれが1つに繋がっています。
また、うろこは細かく、細長い形状あることが特徴です。
体の色は生息環境により赤や黄色など様々に変化します。とくにオスのアイナメは繁殖期には黄色に変化が現れます。
ここまではわりと普通の魚なんですが、ここからがひと味違います。
アイナメには浮袋がないんです。
魚にとって浮袋がないということは、どういうことなのでしょうか?
船釣りを経験されたことのある方なら分かると思いますが、底の方で掛けた魚を釣り上げた時に、口から浮袋がパンパンになって出ていることがあると思います。
これは、魚が普段生活している深さから一気に釣り上げられることで、水圧の変化に対応しきれずにこうなってしまうようです。
つまり、「浮袋がない魚」=「水圧に強い」ということです。
水圧に強いということは、浅場から深場までを自由自在に移動することが可能になってきます。
ですので浮袋のないアイナメは、自分の好きな水温の場所に何の抵抗もなく移動することが出来るのです。
水温は季節によって大きく変わりますので、自然とアイナメも季節によっている場所が大きく変わってきます。
アイナメは季節ごとに居場所が違う
ここで紹介する時期は、あくまでも一般的なものです。
お住まいの地域によって大きくピークの時期が変わってくる可能性がありますので、事前にお近くの釣具店などで情報を手に入れてくださいね。
春
温かくなってくる春になると、アイナメは浅場へ戻ってきます。
寒い地域ではまだ夜釣りで狙うことも可能です。
だんだんと暖かくなるにつれて朝マヅメが釣れるようになってきます。
夏
体力回復を終えたアイナメが旬を迎え、美味しい時期になってきます。
しかし本格的に暑くなってくると、アイナメも夏バテしてしまいますので、その前に水温の低い深場へ移動してしまいます。
脂ののった大型のアイナメが釣りたい方は船釣りで狙うことをおすすめします。
秋
地域によってはまだまだ旬です。
秋になると水温も落ち着いてきますので、ある程度の深さまで戻ってきます。
沖の堤防や沖磯などの、外海に面したエリアが釣りやすい場所になってきます。
また、産卵を控えて体力をつけたい時期ですので、「海藻の多いエリア」「砂利浜が隣接しているエリア」など、捕食対象となるエサが多い場所がおすすめです。
冬
11月を過ぎたあたりから徐々に産卵のシーズンに入っていきます。
産卵をする場所は浅場です。エサが豊富で、障害物が多い場所が良いポイントになってきます。
産卵を終えたアイナメは体力回復のために、活発に捕食する時間が増えてきます。
そのため、本来は昼行性のアイナメも夜釣りで狙うことが可能になってきます。
寒さが厳しくなってくると、アイナメに適した水温を下回ってくるので、深場へと移動していきます。
アイナメは時間帯で狙うポイントを変える
アイナメは基本的には昼行性です。
それと動いてるエサ(イソメ類、カニ、小魚など)にしか興味を示さないという特徴も覚えておきましょう。
さらに大型のアイナメになってくるほど魚食性が強くなってくるようです。
大きなアイナメを狙う場合は小魚をイメージしたルアーを選択しましょう。
朝マヅメが一番おすすめの時間帯です。
アイナメは朝が一番活発に捕食しますので、普段身を潜めている隠れ家の外まで出てきて獲物を追いかけています。
ルアー釣りや投げ釣りで幅広く狙う釣り方がおすすめです。
アイナメは警戒心の強い魚です。
昼間は獲物を追いかけず、隠れ家の中で身を潜めています。
テトラポットの隙間や、堤防のコンクリートが崩れているようなところをピンポイントで狙っていきましょう。
ブラクリ仕掛やワームで、アイナメの目の前にエサを通過させるような釣り方がおすすめです。
基本的には寝てます。
しかし、年季の入った大型のアイナメは警戒心が和らぐ夜のほうが釣りやすかったりします。
また、冬から春にかけて産卵期を終えたアイナメは、体力回復のために活発に捕食していますので、夜でも釣れるようになってきます。
夜の場合でもテトラポットなどの隙間をピンポイントで狙う穴釣りがおすすめですが、足元には十分な注意が必要です。
アイナメが好む場所
アイナメは水質環境の変化にも敏感で、比較的海水温度が低く、塩分濃度が少ない場所を好みます。
このため水温や塩分濃度の変化にアンテナを張ることは大事なことです。
水温の変化に関しては主に季節や天候が左右しますが、塩分濃度に関しては以下の要因が関係してきます。
- 地形によって海水の出入りが少ない場所
- 気温が高く熱い地域、海水の蒸発が多い場所
- 地域によって降水量の多い又は少ないといった差がある場所
このような場所では海流の移動がなく、塩分濃度が高くなる傾向があるためアイナメは好みません。
塩分が濃い海水が苦手な魚は他にもいるので、アイナメを釣るときだけでなく他の魚をターゲットにするときにも役立ちます。
おすすめのポイントとしては次の場所です。
地磯などの岩礁帯はアイナメの産卵場所にもなっています。
捕食対象となるカニや小魚なども豊富なので、まず間違いないポイントです。
ルアーなどでアイナメが潜んでいそうな岩礁の近くを探るような釣り方がメインになってきます。
テトラポットや、コンクリートの岸壁が崩れたようなところが狙い目になります。
足場が安全なので、初心者におすすめのポイントです。
ブラクリやワームを真下に落としていく釣り方がメインになってきます。
砂浜よりは、砂利浜のほうが良いポイントです。
これも、どこにも身を潜める場所がない砂浜ではなく、隠れたところから捕食対象を狙うといったアイナメの習性があるためです。
アイナメの生息域
最後にアイナメの生息域について触れておきます。
アイナメとカレイの関係についてご存知でしょうか?
詳しい理由はわかりませんが、カレイの釣れる地域ではアイナメも釣れるそうです。
逆に、アイナメが釣れない地域ではカレイも釣れないらしいです。
私はヒラメ釣りが大好きで、ヒラメが有名な宮崎県によく釣りに行くのですが、宮崎にはアイナメはいないという話を聞いたことがあります。
そしてよく考えてみたら、カレイが釣れるという話も聞かないことに気が付きました!
あながち『カレイがいない地域ではアイナメもいない説』は間違っていないのかもしれませんね。
ひとつの参考にされてみてはいかがでしょうか。
話を本題に戻します。
種類別の生息域
アイナメには種類別にそれぞれ生息域に違いがあり、日本では主に、
- 日本海(新潟県~九州沿岸)
- 太平洋(東北地方~九州南岸)
- 北海道の太平洋岸
- オホーツク海
このように北は北海道から南は九州まで日本各地域に広く分布しています。
特に日本海側に多く生息している傾向があり、北海道は日本全域で比べても個体数が非常に多いです。
また、アイナメは日本沿岸以外にも朝鮮半島付近の海域にも生息しているみたいです。
私のホームグランドも日本海側なので、普通のアイナメが釣れます。
まとめ
- アイナメには浮袋がない
- 浅場から深場まで自由自在に移動できる
- 季節によって大きく居場所が変わる
- アイナメは昼行性
- 朝マヅメが一番おすすめの時間帯
- 水温が低く、塩分濃度が少ない場所を好む
- カレイが釣れない地域ではアイナメも釣れない説がある
春のアイナメ
- 浅場を狙う
- 寒い時期は夜釣りでも釣れる
- 暖かくなるにつれて朝マヅメを狙う
- 朝マヅメは行動範囲が広いので、ルアー釣りや投げ釣りで幅広く狙うことが出来る
夏のアイナメ
- 美味しい時期
- 本格的に暑くなると深場へ移動する
- 大型のアイナメは船釣りで狙うと良い
- 朝マヅメがおすすめ
秋のアイナメ
- 地域によってはまだまだ旬
- 水温が安定してくるとある程度の深さまで戻ってくる
- 沖の防波堤や沖磯などの外海に面したエリアがおすすめ
- 捕食対象となるエサが多いポイントを狙う
- 朝マヅメがおすすめ
- 夜釣りでも釣れ始める
冬のアイナメ
- 産卵のシーズン
- 浅場を狙う
- エサが豊富で、障害物が多い場所が良いポイントになる
- 産卵を終えたら活発に捕食する時間が増える
- 一番夜釣りに適している時期
- 寒くなってくると深場へ移動する
アイナメは時期や時間帯によって狙う場所、釣り方を変えなければ全く釣れない魚です。
しかし全てがうまくかみ合えば、もともと好奇心旺盛な魚ですので簡単に釣ることができるでしょう。
釣りに行く前に、今の時期のアイナメはどこにいるのか?を考えて、
今の時期のアイナメはどの時間帯が一番良いのか?を考え、
どんな釣り方が一番合っているのか?を考えましょう。
アイナメ釣り当日は、その答え合わせです。まるで推理ゲームみたいじゃないですか?
きっと癖になると思いますよ。
アイナメ釣りおすすめです。