太刀魚と言えば、
釣り上げた時のまるで日本刀のような
「ギラギラ感」
に、心を奪われますよね。
あの光輝く姿は、遠目で見ても、
「あ、太刀魚だ!」
と分かるほどです。
「あ、またあっちで釣れてる」
「お、こっちでも釣れてる」
「・・・」
「・・・」
「なんで自分だけ釣れないんだ?」
「自分の周りだけ、太刀魚が避けて泳いでるんじゃないのか?」
こんなことありませんか?
私もよくありました(笑)
太刀魚釣りほど、技術の差がでる釣りは珍しいんじゃないでしょうか。
自分は2匹、隣の人は20匹。
なんてよくある話です。
実は、技術の差、というより、知識の差だったんです。
私と一緒に、隣の人に羨ましがられる釣り人になりましょう。
目次
太刀魚の習性
技術より知識が大切。
と言われてもピンとこない人の為に少し説明します。
例えば、太刀魚釣りのプロがいたとします。
当然プロですから、誰よりも技術を持っています。
そのプロが、真夏の昼間に湖で太刀魚を狙って、釣れると思いますか?
100%釣れないです。
「何言ってんだ?湖で太刀魚が釣れないなんて当たり前だろ!」
と、思いましたか?
当然ですよね。太刀魚は海にいるので、湖で釣れるはずがないんです。
極端ですが、これも大事な一つの知識なんです。
私が小学生のころの話です。
近くの池で、弟とブラックバス釣りをしていました。
釣る場所を探し歩いていると、浮き釣りをしている親子に出会いました。
たたごとじゃない光景に、思わず弟が、
「何を狙ってるんですか?」
と聞くと、真顔で、
「ん?メジナ(グレ)だよ。全然釣れないけどね~」
と、返ってきました。
そうなんです。この親子、池で撒き餌を撒きながら、本気でメジナ(グレ)を狙っていたんです。
もう目の前は、コイとかブルーギルが乱舞してました(笑)
私たちは、「頑張ってくださーい」
と言って駆け足で離れ、爆笑した思い出があります。
ちょっと急に思い出したので、話が脱線してしまいましたが、
ウソのような本当の話です。
知識がないと、湖にメジナ(グレ)や太刀魚を釣りに行ってしまうのです。
もしかしたら私もあなたも、プロから見たらとんでもないことをやってしまっているかもしれませんよ?
夜しか釣れない魚なのに、昼間やっていたり
表層に魚がいるのに、底をズル引きしていたり
いくらルアーのアクションに自信があっても、根本的なところがズレてたら意味がない。
だから、技術より知識が大切ということです。
すみません。つい太刀魚のように、長くなってしまいました。
本題に入ります。
太刀魚は夜行性である!?
太刀魚は夜行性です。
ですので、夕方日が暮れ始めると、活性(魚のテンション)があがり、浅場まで接岸してきます。
夜になるにつれて浮上し、表層で釣れはじめます。
「皆さん、太刀魚は夜狙いましょう!」
というのが、一般的な知識です。
釣人たちは夕方になると、我先に。と港に並びます。
完全に日が沈む頃には、祭りでもやってるのかと思うほど人で溢れています。
では、これはご存知ですか?
実はもう一回、太刀魚の活性があがる時間帯があります。
早朝です。
時間帯で言えば、潮にもよりますが、4時~5時です。
個人的には、朝マヅメの少し前が一番だと思います。
太刀魚のボイル(水面で小魚を追いかけてバシャバシャしている状態)見たことありますか?
この時間帯は、結構ボイルに出くわしますよ。
釣人もほとんどいませんが、知っている人はこの時間に来ます。
そこから一旦落ち着いて、朝マヅメになるとまた活性があがりますが、釣人も増えます。
私はこの知識を手に入れたので、釣人が多くなる朝マヅメの頃には、もう家で太刀魚を捌いています。
太刀魚は昼でも釣れる?
太刀魚は夜行性ですが、だからと言って昼間に全く釣れないわけではありません。
人間で言えば、夜に食事をして寝室に移動して寝ますよね。それと同じ感覚です。
太刀魚は朝、食事をして、昼間は沖の深場に移動します。
寝ているわけではないと思いますが、夜や朝と比べると、活性は低くなります。
太刀魚の居場所が沖の深場なので、地域にもよりますが、必然的に船釣りか、沖の防波堤に限られてきます。
仕掛け
それでは、太刀魚の居場所と時間帯が分かったところで、仕掛けの話に移っていきます。
その前に、抑えておくべきポイントがあります。
太刀魚は、あんな凶暴な歯をしているのに
「捕食が下手」
ということです。
これが仕掛けにも影響してきます。
ここで紹介する仕掛けは、大きく分けて3種類です。
ルアー
ゲーム性が高く、1番人気の釣り方です。
メリット
手返しがはやく、数釣りに向いています。
他の釣り方と比べて、お手軽です。
かなりの広範囲を探れます。
自分の予測したパターン通り釣れた嬉しさは、1番です。
デメリット
サイズ、カラー、タイプの種類がかなりありますので、的外れなことをすると、まず釣れません。
値段の高いルアーを無くした時の、ショックがでかいです。
テンヤ
ルアーとエサの中間をとった、反則技的な釣り方です。
主に関西の地域や、沖の防波堤、船釣りで有名な釣り方です。
メリット
実際にエサがついていますので、
「魚がいれば、食ってくれるんじゃないか」
という安心感は、ルアーよりあります。
ルアーと同じく広範囲が探れます。
種類が少ないので、太刀魚を探すことに集中できます。
デメリット
「きびなご」という小魚がエサになります。
エサが必要になりますので、釣りに行く前に釣具店か、スーパーで購入する必要があります。
寄り道する分、お手軽ではなくなります。
ルアーに縛り付けて投げますので、数投ごとにエサを付け替える手間が増えます。
太刀魚がたくさん釣れる時間帯には、一匹釣るごとにエサを付けないといけないので、手返しが遅くなります。
エサ
電気ウキをつかったエサ釣りです。
ウキ釣りでしか味わえない醍醐味が魅力です。
メリット
ウキが沈んだからといって、すぐにあわせ(魚を針にかけるテクニック)を入れても掛かりません。
捕食が下手なので、一旦エサに食いついてもすぐに離してしまう時があります。
一旦ウキが沈んで、また浮いて、また沈んで…。
その、まるで魚と会話をしているような駆け引きが最大の魅力です。
デメリット
揃える道具がたくさんあるので、とてもお手軽とは言えません。
太刀魚がいる棚(深さ)を探るたびに、仕掛けを調整しないといけないので、棚を探し当てるまで時間がかかります。
ルアーほど遠くまで飛ばないので、探る範囲が狭くなります。
最大のメリットである、駆け引きが長いので、手返しは遅くなります。
ルアー
ここでは、ルアーについて掘り下げます。
ルアーには、ハードルアーとソフトルアーがあります。
どちらにもおすすめのパーツがあります。
ワイヤーリーダーと呼ばれるものです。
太刀魚は捕食が下手という話をしましたが、食うところを見ていると、本当に下手です。
ルアーを狙ってきているのに、狙いを外してルアーの下や上や横をバクバク食ってきます。
その最中にリーダーに歯が触れてしまうと、スパッと切れてしまいます。
それだけで、高価なルアーとサヨナラです。
ワイヤーリーダーを付けると、食いが落ちると言う方もいらっしゃいますが、私は必ずつけています。
ルアー釣りの基本セッティング
- ロッド(竿)は、専用のものか、シーバスロッドが使いやすいです。
- リールは、私はとくにこだわっていません。2000番を使っています。
- ラインは、PEの1号を巻いています。
- リーダーは、3号(12lb)~5号(20lb)を使うことが多いです。
- ワイヤーリーダーを付けます。
これを基本に、魚の状況をみてルアーを選んでいます。
ジグ
私が好きなルアーです。
一言でいうと鉛の塊です。
特徴は
- 割と安い
- 飛距離がある
というところです。
飛距離があるので、かなりの広範囲が探れます。
また、重量があるので、沈下スピードが速くなる点でも手返しが早いです。
昼間や、夕方のまだ太刀魚がどこにいるか分からない時に活躍します。
ミノー、バイブレーション
魚の形をしたルアーです。
特徴は、
- 値段が高い
- ジグより軽い
- リップ(あごについてる)の長さで潜る深さが違う
- フローティングタイプ(浮く)シンキングタイプ(沈む)サスペンドタイプ(中間)がある
- 動きがリアル
と種類が一番多いルアーです。
太刀魚が届く範囲内の表層にいる時に活躍します。
というのも、軽いので広く探るのには向いてません。
シンキングタイプを使っても、ジグと比べると遥かに沈下スピードが遅いので、手返しがかなり遅くなります。
しかし、ジグで表層を泳がせようとすると、かなりのスピードが必要なので、太刀魚が追いつけない時があります。
そんな時に、フローティングタイプのミノーにすると、一発で食ってきます。
ワーム
ゴムでできたルアーです。
やわらかいので、ソフトルアーとも呼びます。
特徴は、
- 一度に多く入っているので、安くあがる
- やわらかいので、食い込みがいい
- 空気抵抗が大きいので、飛ばない
- 動きがしなやか
ワームの種類やジグヘッド(オモリと針が一緒になったもの)の種類が多いので、一概には言えませんが、だいたいこんな感じです。
先に述べたように、太刀魚釣りは一つの場所に、かなりの人が並びます。
大勢の人がジグや、ミノーなどを投げているので、すでに太刀魚に見切られている可能性があります。
そんな、太刀魚にプレッシャーがかかった状態の時に、活躍します。
また、数年前から「ワインド釣法」という、活性の上がっていない魚に強引に「スイッチ」を入れる釣り方があります。
写真の左上と、右上のものです。
実際に魚にスイッチが入っているのか分かりませんが、結構釣れます。
ただし、フグなどの餌取(邪魔する魚)が多い場所ではワームは使わない方がいいです。
すぐにワームの尻尾だけを食いちぎられるので、
「エサか!!」
ってツッコミたくなるくらい、交換する羽目になります。
サビキ
かなり特殊です。
私の仲間内でやっているマイナーな釣り方です。
サビキの下にナス型のオモリか、ジグを付けるだけです。
太刀魚シーズン前、まだ指2本サイズのころに大活躍します。
遠くに投げて、底まで落とし、巻くだけで釣れます。
釣れるというか、サビキに引っかかってきます。
「指2本の太刀魚なんて釣ってどうするんだ?」
と思うかもしれませんが、確かにほとんど身がないです(笑)
が、だからこその料理があるんです。
次の項目で紹介します。
*太刀魚の大きさを表現するときは、「長さ」とか「重さ」ではあまり表現しません。
太刀魚の「幅」が「指何本分」、という表し方を使います。
おすすめの料理
あくまでもここで紹介するのは、
「釣りたての太刀魚」
が、前提として話をします。
私はスーパーで太刀魚を購入したことがありませんので、どの程度の「鮮度」のものが置いてあるか分かりません。
鮮度次第では、生で食べるのはおすすめしません。
太刀魚料理と言えば
- 刺身
- 塩焼き
- ムニエル
- 天ぷら
- 唐揚げ
が出てくると思います。
でも結構小骨が多くて、食べるの面倒じゃないですか?
太刀魚を捌くとき、背びれ側と胸びれ側に切り込みを入れて、引きちぎるように引くと、きれいと小骨が取れます。
その後にブツ切りとかすれば、食べやすくなります。
さて、私のおすすめ料理は2つあります。
まずは、指2本サイズの太刀魚偏です。
「唐揚げ」です。
- 頭と内臓を取る
- キレイに洗う
- 小さめのブツ切りにする
- 少しだけ塩コショウを振る
- 低温の油で2度揚げする
いたって普通の素揚げですが、もともと身が少ないので、骨までパリッパリになります。
分かりやすく言うと「せんべい」って感じです。
私の3歳の娘が大好きで、3匹分くらいは一瞬で食べます。
娘のおやつの分と、私の夜のおやつにする分を合わせて、6匹くらいがノルマになっています(笑)
次に指4本以上の太刀魚偏です。
「炙りポン酢」
です。ここだけは譲れません(笑)
- 3枚卸にする
- 厚めの刺身にする(炙って締めたら少し縮みます)
- 網や、フライパンの上に並べる
- ガスバーナーで炙る(キャンプ用品売場にあります)
- 氷水で締める
- キッチンペーパーで水分をとる
醤油などでもいいですが、ポン酢の方が旨味が広がります。
私はこれの為に太刀魚釣りに行くようなものです。
ぜひ一度お試し下さい。
まとめ
冒頭で「技術の差より知識の差」だと述べさせていただきましたが、いかがでしょうか?
太刀魚の習性では
- 全く知識がないと、とんでもない行動をしていることに気付けない
- 太刀魚は夜行性=「夜が一番釣れる」のか
- 太刀魚は昼間はどこに行くのか
太刀魚の仕掛けでは
- 太刀魚は捕食が下手であること
- ルアー釣りのメリットとデメリット
- テンヤ釣りのメリットとデメリット
- エサ釣りのメリットとデメリット
ルアーの詳しい釣り分け方について
- ワイヤーリーダーは付けた方が良い
- ジグは、昼間や、夕方のまだ太刀魚がどこにいるか分からない時
- ミノーは、太刀魚が届く範囲内の表層にいる時
- ワームは、太刀魚にプレッシャーがかかった状態の時
- サビキは、太刀魚シーズン前、まだ指2本サイズのころ
おすすめ料理では
- 指2本サイズは「子ども大好き!!唐揚げせんべい」
- 指4本以上は「旨さ爆発!!炙りポン酢」
釣れる人と、釣れない人の差は
自分がやりやすいように、好きなルアーを使って釣りをしているのか
太刀魚の習性、行動をよんで、それに適したルアーで釣りをしているのか
つまり
『知識の差』
ということではないでしょうか。
この記事をご覧いただいた皆様も、太刀魚の知識をフル活用して、
「すごいですね」
と、隣の人に羨ましがられる釣り人になりましょう。
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