中級者以上の釣り人さんたちは、ブラックバスを釣ったことがあると思います。
初心者の方も、ブラックバスを釣ることを目標に、腕を磨いている方もいることでしょう。
これは特に初心者の方に知っておいてほしいのですが、釣ったブラックバスを
生きたまま持ち運んだり、飼育したりすると法律で罰せられます。
そして条例単位で、場所によっては再放流(リリース)も禁止されており、罰則もあります。
そういうところで釣ったバスは、殺してしまう以外の選択肢はありません。
(回収ボックスを設置しているところもありますが、生きたまま保護するわけではありません。)
いくら嫌われ者のバスとはいえ、無益な殺生は心が痛みますよね。
じゃあせめて、食べてあげられたら、多少は気持ちも軽くなりませんか?
そもそも、ブラックバスは外国では、食用の美味しい魚なんです。
以前、私の先輩と琵琶湖まで釣りに行った際、近くの食堂で先輩からの勧めでバス料理を食べました。
正直、かなり抵抗はありましたが、お世話になっている先輩からの勧めをむげにはできず、泣く泣く口に運びました。
するとどうでしょう。意外や意外、美味しかったのです。
食感はふわふわとしており、スズキにも似た上品で淡白な味わいがしました。
それ以来、自分で釣ったバスを調理して、友人にも振る舞うようになりました。
(食べた後にブラックバスだというと、みんな十中八九驚きます笑)
今回は、本当は美味しいブラックバスについて紹介していきたいと思います。
目次
そもそもなんで淡水魚って臭いの?
「淡水魚は泥臭いから食べられない」
と言われているように、バスの他にコイとかフナとか釣った人はわかると思うんですけど、確かに臭いんですよね。
バスに限らず淡水魚って。
海の魚も臭いことには臭いですが、淡水魚って独特の生臭さがあって、とてもじゃないけど食欲は湧きませんよね。
そもそもなんで、淡水魚ってあんなに臭くなるんでしょうか?
水質
1つめの要因は水質です。よく、
「環境が人を作る」
といいますよね?その人の育った土地や空気がその人を形成していきます。
魚も同じです。
魚の育った水質がその魚を形成します。
つまり、臭い湖沼で育った魚は臭いです。
食べるもの
2つめの要因は食べるものです。
食べたものは血となり肉となり、直接身体を形成します。
人も、日頃からバランスのよい食事をされている方は、健康ですよね。
魚の食べたものも、その魚の身体を作りますので、魚の味や匂いに大きな影響を与えます。
他にも魚の味や匂いに影響を与える要因があるかもしれませんが、以上二つが大きな要因です。
鮎を食べたことがありますか?鮎の塩焼きは私も大好きです。
鮎は香魚とも呼ばれるほど香り豊かな魚で、上質な鮎は、スイカのような甘い香りがします。
その香りの理由がやはり、水質とエサです。
鮎はあまり汚い川では生きていけない魚で、川の上流や渓流などのキレイな水質を好む傾向にあります。
そして、そういった上流に棲む鮎は、香り高い上質な苔が好物なので、その香りが鮎に移ります。
鮎釣り師の格言に、こういうものがあります。
「鮎釣りは、スイカのにおいを探せ!」
それほど鮎の香りは分かりやすいです。
逆に言えば生命力の強いコイやフナは、水が汚くても、色々なものを食べて力強く生きるので、臭くなってしまうんですね。
ブラックバスのさばき方
ブラックバスも生命力の強い魚で、水質の悪い池のものは臭いです。
しかし、正しく処理をすれば、臭いも軽減され、美味しく食べることもできます。
普段から釣った魚をさばいている人なら、さほど苦労せずさばけると思います。
魚をさばいたことのない人も、比較的簡単にさばけるので、ぜひチャレンジしてみてください。
- ウロコ取りなどで丁寧に鱗を取ります。
- 頭を落とし、一緒に内臓を引き抜きます。背骨ごと断つようにすると楽に頭が落とせます。この時、内臓を傷つけないように気をつけてください。臭いの原因になります。
- 続いて三枚におろします。まず片側の背から刃を入れ、中骨まで切れ込みを入れます。腹部にも同じく切れ込みを入れ、ハサミで身を切り離します。反対側も同様にして三枚におろしてください。
- ここがポイントです。おろした身の腹部に、白いような黄色いような脂身がついています。これが一番の臭いの原因です。これを肋骨と一緒にすき取りましょう。
- 最後に皮を包丁で剥がしたら完了です。皮も臭いの原因なので丁寧に剥ぎます。
引用:youtube ブラックバスを釣って食う Large-mouth bass fishing & cooking
詳しく紹介している動画もありましたので、そちらも参考にどうぞ(4:44くらいからさばき方です。)
バスの臭いの主な原因となっている部分は、
- 内臓(主に胃や腸などの消化器)
- 腹部の脂
- 皮
です。ここさえ取ってしまえば、美味しく食べることができます。
ブラックバスを美味しく調理しよう!
バスは白身魚で、イメージに反して味は淡白で上品な味わいなので、どんな調理法でも美味しく食べることができます。
その中でも、特に美味しかったおすすめの5選をご紹介していきます。
なお、全ての調理法に言えることですが、切り身の状態の時に、牛乳に15分〜30分位浸けておくことで、さらに臭いが軽減されます。
バスの塩焼き
材料(一人前)
- 塩(適量)
- ブラックバス(一匹分)
- 三枚におろしたバスに塩を振る。
- グリルでこんがりと焼く。
以上です。塩振って焼くだけですので簡単ですね。バス本来の味が楽しめます。
ちなみにどんな魚でも使える裏ワザですが、先にグリルを5分予熱した後に、高温で魚を焼くと美味しく仕上がりますよ。
琵琶湖など、水質の良いところに棲むバスを使うのがおすすめです。
ブラックバスのムニエル 〜ハニーマスタードソース〜
材料(一人前)
- ブラックバス(一切れ)
- 塩胡椒(適量)
- 小麦粉(適量)
- バターorマーガリン(10g)
- オリーブオイル(適量)
ハニーマスタードソース
- はちみつ(大さじ1)
- マスタード(大さじ1)
- マヨネーズ(大さじ1)
- 醤油(小さじ1)
- レモン汁(少々)
- ブラックバスの水気を拭き取り、塩胡椒を振る。骨があれば抜く。
- 小麦粉を薄くまぶす。
- オリーブオイルを入れたフライパンを火にかけ熱する。
- 中火〜強火で片面をきつね色になるまで焼く。
- バターを入れ、もう片面も弱火〜中火でじっくり焼く。
- 皿に取り出したら、ハニーマスタードソースの材料をすべて混ぜ合わせかける。
ブラックバスの淡白な旨味とハニーマスタードの優しい味がよく合います。
このハニーマスタードソースは何にでも合いますので、バス料理以外にも使ってください。
ブラックバスのホイル焼き
材料(一人前)
- ブラックバス(一切れ)
- 人参(1/4本)
- バター(大さじ1)
- 塩胡椒(適量)
- しめじ(適量)
- 長ネギ(適量)
- レモンスライス(1枚)
- ブラックバスの水気を拭き、塩胡椒を振る。
- 野菜は食べやすい大きさに切る。
- アルミホイルに長ネギとしめじを入れ、その上にブラックバスを置く。
- 最後にバターを入れ、お好みでレモンスライスも入れる。
- アルミホイルでしっかりと包む。
- オーブントースターに入れ20分ほど焼く。
- いい匂いがしてきたら完成。
野菜の旨味とバターの香りが、ブラックバスの味を引き立てます。
フライパンでも作れますのでお試しください。
バスから(ブラックバスの唐揚げ)
材料(一人前)
- ブラックバス(一匹分)
- 塩(適量)
- 片栗粉(大さじ3)
- 揚げ油(適量)
調味液
- 醤油(大さじ2)
- 酒(大さじ1)
- チューブ生姜(5cmくらい)
- チューブにんにく(5cmくらい)
- ブラックバスに塩をはたいて、一口サイズに切る。
- 調味液を全て混ぜ合わせ、ブラックバスを20分ほど漬け込む。
- 余ったつけ汁を捨て、片栗粉を入れ、混ぜ合わせる。
- 160度くらいの油で3〜4分揚げ、バスを油から取り出す。
- そのまま4〜5分放置し、再度200度くらいの油で1〜2分揚げる。
- 好みでレモン汁をかける。
唐揚げは裏切りませんね(笑)美味しくないわけがないです。
二度揚げすることで、中はふわっと、外はさくさくの唐揚げになります。
ちなみに、みなさんは唐揚げにレモンはかけますか?私はかける派です。
ブラックバスのアーリオオーリオ
材料(一人前)
- ブラックバス(一切れ)
- スパゲッティ(80g)
- 唐辛子(一本)
- にんにく(一欠け)
- 塩(水の量の1〜3%)
- 乾燥パセリ(適量)
- 白ワイン(大さじ2)
- オリーブオイル(大さじ2)
- ブラックバスの水気をよく拭き、1cm角に切る。
- 沸騰させたお湯に塩を入れ、スパゲッティを茹でる。この時に表記されている時間より1分短く茹でる。
- パスタを茹でながら、フライパンにオリーブオイル、にんにく、唐辛子を入れ弱火で熱す。
- 香りが立ったら、ブラックバスを入れ炒める。その後白ワインを入れ、中火でアルコールを飛ばす。
- 強火にし、パスタの茹で汁を入れ、フライパンを前後にゆすりながら箸やトングで混ぜる。
- 中火に戻しパスタを混ぜ合わせ、皿に盛り付け、乾燥パセリとオリーブオイル(分量外)をふりかける。
昔、イタリアンレストランでバイトをしていた時に、提供していたレシピに
アレンジを加えたものです。
(流石にブラックバスは使っていませんでした笑)
日本ではペペロンチーノと呼ばれる、にんにくと唐辛子のシンプルなパスタです。
にんにくと唐辛子を焦がすと苦味が出るので、注意してください。
まとめ
魚の匂いは
- 水質
- エサ
が影響しているということ。
ブラックバスをさばくときは
- 内臓
- 腹部の脂肪
- 皮
が嫌な臭いの原因なのでここを丁寧に取るのがポイントだということ。
ブラックバスの調理法は、
- 塩焼き
- ムニエル
- ホイル焼き
- 唐揚げ
- アーリオオーリオ
がおすすめであるということ。
もともと、食べる目的で持ち込まれた魚ではないので、日本において、食べるということに関しては馴染みのない魚かもしれません。
しかし、バスは正しくさばいて調理すれば、他の食用魚同様、十分美味しく食べられる魚です。
今度美味しそうなバスを釣ったら、正しくさばいて、美味しく調理してあげましょう
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