おかっぱりを中心にバス釣りをされている方の中には、もっと遠くまでルアーをキャストしたいという思いを持っている方も多いと思います。
特に琵琶湖や河口湖といった広大なフィールドになるほど、その欲求も大きくなると思います。
おかっぱりはボートフィッシングのように、フィールド内を自由に移動することができず、ある程度限定された中で釣りを行うため、飛距離は重要視されることが多いと思います。
しかし、飛距離が必ず釣果に直結するかというと決してそうではありません。
今回はバス釣りにおける飛距離について、お話ししていきたいと思います。
飛距離=釣果とは限らない
確かに単純に岸から遠くへルアーを投げられるほど、探れる範囲は広くなり釣れる可能性は高まります。
しかし、バス釣りにおいてはあまり飛距離にこだわり過ぎると、最も重要な事である魚を探すということが忘れがちになります。
本当に遠くまでキャストした所にバスがいるでしょうか。
バスを釣る事が目的なのに、いつの間にかルアーをどこまで飛ばせるかが目的になっていないでしょうか。
私が飛距離を大事だと考えるのは、浅場から深場に地形が変わるブレイクが岸から離れており、そこにルアーを送り込みたい時です。
もしくは狙いたい障害物が遠くの沖にあるような状況です。
もしそこまで飛距離が出せない場合は、他のポイントを廻れば解決します。
また冬場を除けば、バスは浅い所にいることが多いため、そういったポイントをラン&ガンするのも飛距離に関係なく、バスを釣る手段として有効になります。
これは以前、琵琶湖のおかっぱりガイドの方に言われたことです。
これを言われた時、私はまだ琵琶湖での釣行経験が乏しかったので、正直半信半疑でした。
しかし、実際にその方のガイドを受けるとルアーを遠投する機会はほとんどなく、やはり釣りをするポイントが大事だと痛感しました。
このガイドの方は、琵琶湖でも地形やその時にバスが捕食しているエサなどから、バスのポジションや状態を判断して釣っていくという、バス釣りの基本的なスタイルを忠実に行っていました。
闇雲にルアーを遠くに飛ばせば釣れるということではないということを、改めて学ばせて頂きました。
最初は飛距離よりも、いかにピンスポットにルアーをキャストできるかという、キャスト精度の方が重要だと思います。
キャストするにまで至る、そこまでのアプローチも気配を消して、丁寧に釣りができる人ほど釣果に繋がるということも教えて頂きました。
そういった点では、関東と関西の方で違いがあるようです。
関西の方は割と大雑把に釣りをすることが多く、極端な例だとビックベイトをキャストして釣れなければすぐに移動する。
関東の方は、ワームでじっくり釣りをするスタイルの方が多いということを伺いました。
私のイメージでは関西の方の方がバス釣り発祥地である、アメリカのスタイルに近いと思います。
ポイントさえ間違っていなければ関東の方が、琵琶湖に来ても釣れることが多いようです。
遠くまでルアーをキャストしたい方へ
それでも、やっぱりルアーを遠くまで飛ばすのは楽しいです。
ストレスの解消にもなります。
では、どうすればより遠くに、ルアーをキャストできるのかアドバイスさせて頂きます。
ロッド
やはりロッドは長ければ長いほど飛距離を出すことができるようになります。
しかし、長すぎると取り回しが上手くいかないです。
特に初心者の方には最初から、8フィートを超えるようなロングロッドはお勧めしません。
最初は長くても、7フィート半ばぐらいが適切と思います。
また6フィートクラスでは、小規模な野池では全く問題ないと思いますが、やはり琵琶湖や本湖で釣りをする場合には物足りないことが多いです。
またアクションはルアーの重さにもよりますが、ベイトロッドであればMHもしくはHのものが飛距離を出やすいと思います。
ロッドが曲がりすぎても、曲がらなくても、飛距離が出にくくなります。
使用するルアーによって、バランスの良いセッティングをすることが重要です。
スピニングであれば、LもしくはMLアクションが適応と思います。
やはり高性能なロッドほど飛距離が出ます。
以前、私は学生時代それほど釣り具に費用をかけられなかったので、1万円程度のエントリーモデルを使用していました。
社会人になり、少し余裕が出たため、思い切って4万円程度のハイクラスのロッドへ買換えをしたのです。
そのロッドで投げた一投目のルアーが、ロッドに載るという感動と気持ち良さは今でも強く印象が残っています。
長さも、アクションも全く同じスペックだったのですが、こんなに違うものかと感動しました。
とにかくキャストをして気持ち良かったという感覚がありました。
そのため、現在はエントリーモデルに戻ることができずに困っていたりもします。
リール
ベイトリールの場合、ルアーを遠投する際に注意しないといけないのがバックラッシュです。
飛距離を伸ばすためには、ブレーキを弱くしたいのですが、その分バックラッシュの発生するリスクも高まります。
そのため、リールもある程度の高性能なものがお勧めです。
バックラッシュが心配な方は、シマノ社のDC(デジタルコントール)が搭載されたモデルであればかなり快適に使用することができると思います。
またダイワ社であれば、Tウイングシステムというリールのレベルワインド部がT時型になっており、キャスト時に開口部が広くなることでバックラッシュを軽減でき、かつ飛距離もアップする機能が搭載されたものがお勧めです。
またスプール径が大きいほどラインの放出抵抗が少ないため、スプール径が大きいものを選ぶことも重要です。
定期的なメンテナンスも大事になります。
オイルが少なくなるとキャスト時のフィーリングが悪くなり、飛距離が落ちてしまいますので定期的なオイルの注油を忘れないように行うようにしましょう。
私も釣行回数によりますが、3~4か月に1度は簡単なクリーニングをする際に注油をするようにしています。
ライン
一般的にスピニングタックルについては、ラインは細いほど飛距離は伸びます。
ベイトタックルでは、タックルバランスにより細いと逆に飛距離が落ちる場合がありますのでご注意ください。
またラインをリールの糸巻量の限界まで巻かない事もコツです。
材質ではPEラインが最も飛びます。
材質によってラインの重さが異なり、フロロカーボンよりもナイロン、ナイロンよりもPEの方が軽くなり、飛距離がアップします。
またどうしてもフロロカーボンを使いたいような状況であれば、下糸にPEラインを使用するのも有効な手段となります。
その際には、リーダーとの段差を少なくするためにFGノットで結束することが重要になります。
ルアー
飛距離を優先させるのであれば、出来る限り空気抵抗の少ないルアーを選ぶことが重要です。
具体的にはバイブレーションやストレートワームのヘビキャロ等、ハードルアーであればリップ、ワームなら手や足など、抵抗になってしまうものが付いていないもの程、より遠くへ飛ばすことができるようになります。
キャストについて
ルアーをキャストする方法についてはいくつか種類があります。
一般的にルアーの飛距離を出すためにはオーバーヘッドキャストと呼ばれる、頭の真上をルアーが通過するように投げるキャストが基本となります。
キャスト時に垂らしを少し多めに取るのが、飛距離を出すポイントになります。
強風の時はオーバーヘッドキャストよりも、風の影響を受けにくいサイドキャストが有効になります。
どちらも上下左右に障害物や釣り人がいないことに、注意してキャストをする必要があります。
また力を入れ過ぎても飛距離は出ません。
大切なのはルアーの重みをしっかりロッドに載せることです。
これは練習するしかないところでもありますが、キャストを繰り返すことで徐々に感覚が掴めてくると思います。
キャストについては使うロッドの長さ、硬さ、リール等のタックルによって、キャストの仕方やフィーリングが変わります。
ご自身が最もキャストしやすい、セッティングを見出すことも重要です。
また飛距離が必要ではないピンスポットへルアーキャストしたい場合には、振り子の要領でルアーをキャストするピッチングやフリッピングというキャストも練習しておくと良いと思います。
まずは飛距離が出しやすいピッチングから習得するのがお勧めです。
実際に飛距離を測ってみよう
私も含め、いろんな方がお勧めのタックルを紹介していると思いますが、やはりその人によって使いやすいタックルは異なります。
身長も違えばキャストの仕方も違います。
極端に言うとプロと同じタックルを使用して、同じようにキャストしても飛距離が出るとは限りません。
そのため、自分がどの設定やタックルが良いのか、実践していくのが良いと思います。
その際に、飛距離を目視だけではなく、実際に測定するとより確信が持てると思います。
近年は、ラインカウンターというキャスト後にラインにセットし、ルアーを回収した糸巻き量で飛距離を測定できる道具が発売されています。
それを使って、ご自身がどういったタックルでどのようなキャストをすると、飛距離が出るのかを探していくのも良いと思います。
また近くに釣り仲間がいれば、お互いのタックルを組み合わせて測定することで、より飛距離が出せるセッティングが見つかるかもしれません。
なお、ラインカウンターは3000円以下で購入することができ、そこまで高額ではないので1つ持っておくと良いと思います。
まとめ
飛距離=釣果ではない
- 飛距離よりも、バスがいる可能性高いポイントにルアーをキャストする、キャスト精度の方が重要
- キャストまでのアプローチも大事
遠くまでルアーをキャストするには
ロッド
- 長さは7フィート半ぐらいがお勧め
- ベイトロッドはMHもしくはHアクション
- スピニングはLもしくはMLアクションが適応
- 高性能なロッドほど飛ばしやすい
リール
- ベイトリールはバックラッシュしにくいものを選ぶ
- スプール径が大きい方が良い
- 3~4か月に1度は注油をする
ライン
- スピニングタックルでは細いほど飛距離が出る
- ベイトタックルでは、タックルバランスにより細いと逆に飛距離が落ちる場合がある
- リールの糸巻量の限界まで巻かない
- 材質ではPEラインが最も飛ぶ
ルアー
- バイブレーションやストレートワームのヘビキャロ等空気抵抗の少ないルアーを使う
キャストについて
- オーバーヘッドキャストを習得する
- キャスト時に垂らしを長めにとる
飛距離を測定する
- ラインカウンターを使用して自分が1番飛距離を出せるタックルセッティングを探す
ルアーの飛距離が伸びるとキャストするのが楽しくなります。
しかし、それが釣果に繋がらない場合もあります。
飛距離を出すことが目的ではなく、バスを釣ることを目的とする場合には飛距離に固執せずに釣りを行うことが重要です。
まずはバスを探すことを優先し、釣果に繋げていきましょう。