「シーバス釣りにおすすめのロッドって何がありますか?」
釣具店に行って、店員さんにこのような質問を投げかけている方をよく見ます。
一見笑顔で対応しているように見える店員さんですが、実は少し困ってしまう質問のようです。
知人の店員さんの話では、一番聞きたい質問が「失礼」と感じてしまうお客様もいるので、聞くに聞けず無難なロッドを紹介するしかないことも実際にあるのだそうです。
「あなたのレベルはどのくらいですか?」
これが一番聞きたい質問らしいです(笑)
たしかに初心者ならまだしも、ベテランの方にとっては失礼かもしれません。
お客様のレベルが分からないまま、無難なロッドを紹介すると、
「高い!」
と言われ、それならと安いロッドを紹介すると、
「このロッド大丈夫なの?」
と言われるそうです。
店員さん側からすると、ある程度の的は絞ってきて欲しい。
と切実に願っているようです。
中級者~上級者には大した問題ではないので、「こんなロッドが欲しい!」と明確にできると思います。
しかし初心者にとっては、竿の種類などは『全く違いが分からないもの』であることも事実です。
「長い方が良いの?短い方が良いの?」
「硬い方が良いの?柔らかい方がいいの?」
もう何が分からないのかさえ、分からなくなってしまいます。
その結果
「シーバス釣りにおすすめのロッドって何がありますか?」
となってしまうのです。
私はこれまでに様々な場所で、様々な魚を釣ってきましたので、多少の助言は出来ます。
釣り初心者が初めて買うべきシーバスロッドの選択肢が絞れます。
でもぜひ自分で選んだロッドで魚を釣って欲しいので、「この1本しかない!!」という紹介はしません。
最後はあなた自身で決めてください。そのほうが絶対楽しいので。
一言だけ先に言わせてもらいます。
「最初から高いロッドは必要ありません。」
ロッドは大きく分けて2種類
引用元:SIMANO
上の2本のロッドはどちらも、シマノ製のディアルーナというロッドです。違いは分かりますか?
ロッドには大きく分けて2種類あります。スピニングリール用とベイトリール用です。
引用元:SIMANO
左の写真がスピニングリール、右の写真がベイトリールです。
リールの形が全く違うので、ロッドも2種類に分かれます。
なので、上のロッドの違いは
S86ML 頭のSがスピニングリール用、長さは86、硬さはML
B606ML 頭のBがベイトリール用、長さは606、硬さはML
となります。
ベイトリールは扱いが難しいので、初めはスピニングリールを選びましょう。
もしベテランまで成長して、ベイトリールの特性が理解できれば、購入することを考えてもいいかもしれません。
ロッドの長さ
ロッドの長さは「長い方が良いのか」「短い方が良いのか」と考えられるかもしれませんが、実際に釣りをする場所によっても大きく変わってきますので、一概には言えません。
単純に説明すると、
- 短いロッドより長いロッドの方が、ルアーを遠くに飛ばせる
- 長いロッドより短いロッドの方が、扱いやすい
と言えますが、橋桁などの障害物が多い場所では、長いロッドは投げづらくなり不利になります。
しかし、防波堤などの釣り座(釣りをする場所)から水面までの距離があるときや、サーフなどの周りに障害物がなく、飛距離が必要な時は長いロッドの方が断然有利になります。
また、磯場やテトラポットで釣りをするときに短いロッドを使うと、足元に潜ろうとする魚に対応しきれずに、逃がしてしまいます。
船やいかだなど、後ろに振りかぶることが出来ない場所では、長いロッドだと釣りになりません。
釣りを始めて間もないころは、まだ自分が
どこによく釣りに行くのか
どんな大きさの魚をメインに狙うのか
どんなルアーをメインで使うのか
がハッキリと分からないと思います。
仮に店員さんに上の質問をされても、「いや、そんなのまだわかんないよ。」と答えるしかないと思います。
だから店員さんも選ぶことが出来ないのです。
もし店員さんが適当に3万円くらいの短いロッドをお勧めしたとします。
後々そのお客様がサーフをメインステージに選ばれたら、全く違うロッドを勧めてしまったことになります。そんないい加減なことをするわけにはいかないのです。
なので最初にお勧めする長さは、長すぎず短すぎない8~9ft(フィート)くらいが扱いやすく、無難な長さになってきます。
1ftが約30㎝ですので、2.44~2.74mくらいですね。
自分のスタイルが決まってくると、自分に合った長さが変わってきますので、それからいい値段のロッドに手を伸ばしましょう。
ロッドの硬さ(パワー)
先ほどのディアルーナの品番でS86MLとありましたが、この中のMLという表記が硬さ(ロッドパワー)の種類です。
- UL (ウルトラ ライト)
- L (ライト)
- ML (ミディアム ライト)
- M (ミディアム)
- MH (ミディアム ヘビー)
- H (ヘビー)
- XH (エクストラ ヘビー)
代表的なもので、これだけ種類があります。上にいくほど柔らかく、下にいくほど硬くなってきます。
さて、そこで問題の「硬い方が良いのか?」それとも「柔らかい方が良いのか?」ですが、これも「狙う魚の大きさ」や「使うルアーの重さ」によって大きく変わってきます。
極端な例を出しますが、20㎝のシーバスを釣るためには、ULでもXHでも問題ありません。(XHだと全く魚の引きが味わえませんが)
しかし、100㎝のシーバスを釣ろうとしたら、ULだと柔らかすぎて歯が立ちません。シーバスにいいように走られて、逃げてしまうのがオチです。
それなりの耐えれる硬さが求められてきます。
次に「使うルアーの重さ」について説明します。
それぞれの竿や硬さによって、「適正範囲」というものが定められています。
また極端な例を出しますが、ULのロッドで100gのルアーを投げようとしたら、負荷が掛かりすぎてロッドがおそらく折れます。
逆にXHのロッドで3gのルアーを投げようとしても、ルアーに対して竿が硬すぎるので、全く飛びません。
これがULだと、ルアーが軽くてもロッドのしなりで飛ばしてくれるので、XHで投げた時よりもはるか遠くまで飛ばせます。
結局のところどうすればいいかというと、これも「無難なところ」が正解になってしまいます。
パワー表記でいうところのMLかMにあたります。
使用した感じも硬すぎず、柔すぎずで、ルアーの適正範囲も一般的だと思います。
MLかMを使用していただいているうちに、「もう少し柔い方がいい」とか「もっと硬くないとキツイ」などの感覚や好みが出てくると思います。
それが分かってから、いい値段のロッドに手を伸ばしましょう。
ロッドの重さ
ロッドの重さに関しては単純です。
重ければ重いほど疲れる。軽ければ軽いほど扱いやすい。
それだけです。
先に言い切ってしまいますが、
「最初買うロッドは重さに関しては諦めてください」
簡単に理由を説明しますと、ロッドを作るのにかかる材料費の問題だからです。
どうしても安いロッドは重く、高いロッドは軽くなってしまいます。
「グラス」より「カーボン」の方が軽いけど、カーボンの方がどうしてもコストがかかってしまう。ということです。
ロッドに使われている部品のひとつひとつに同じことが言えます。
また、高級ロッドは精密なバランス設計が考えられていますので、本当に実際の重さよりも軽く感じます。
一度このようなロッドを使用してしまうと、それ以下には引き下がれなくなってしまうほど違いが分かります。
くれぐれも最初から手にしないでくださいね。後々の楽しみにとっておきましょう(笑)
一万円以下のお勧めロッド
ここまで述べてきたことで、初めから高いロッドを購入することが、いかに意味のないことかご理解頂けたと思います。
自分のスタイルが定まっていないうちはオールマイティーな1本が間違いありません。
意外と使える幅が広く、これから何年も使い続けるロッドになりえるかもしれません。
ちなみに私は今35歳ですが、小学生の頃親に買ってもらったロッドを今も愛用しています。
ブラックバス用の穂先の柔らかいロッドをイカ釣りのティップラン用に、たぶんシーバス用の11ftのロッドをサーフのヒラメ用に使っています。今のところ全然問題ないです。
このように、「無難な1本」も全くの無駄になるわけではないので、安心してくださいね。
「無難なロッド」をまとめると、
- スピニングリール用
- 長さは8~9ft
- 硬さはMLかM
これだけでかなり的が絞れてきました。
あとはメーカーと、値段です。
いくつかのメーカーを紹介します。
SIMANO ルアーマチック
全長(m) | 自重(g) | 適正ルアー(g) | 適合PE | カーボン含有率(%) | 本体価格(円) | |
---|---|---|---|---|---|---|
S86ML | 2.59 | 145 | 6~28 | 0.6~1.5 | 95.2 | バリュー |
S90ML | 2.74 | 155 | 6~28 | 0.6~1.5 | 95.1 | バリュー |
引用:SIMANO
Daiwa ルアーニスト
全長(m) | 自重(g) | 適正ルアー(g) | 適合PE | カーボン含有率(%) | 本体価格(円) | |
---|---|---|---|---|---|---|
83ML | 2.52 | 142 | 5~25 | 0.6~1.2 | 90 | 8000 |
86ML | 2.59 | 147 | 5~25 | 0.6~1.2 | 90 | 8200 |
86M | 2.59 | 158 | 7~35 | 0.6~1.5 | 92 | 8400 |
90ML | 2.74 | 160 | 5~25 | 0.6~1.2 | 91 | 8600 |
90M | 2.74 | 172 | 7~35 | 0.6~1.5 | 90 | 8800 |
Daiwa リバティクラブ シーバス
全長(m) | 自重(g) | 適正ルアー(g) | 適合PE | カーボン含有率(%) | 本体価格(円) | |
---|---|---|---|---|---|---|
80L | 2.44 | 140 | 5~28 | 0.4~1.2 | 70 | オープン |
86L | 2.59 | 150 | 5~28 | 0.4~1.2 | 70 | オープン |
86ML | 2.59 | 155 | 7~35 | 0.6~1.5 | 67 | オープン |
90L | 2.74 | 155 | 5~28 | 0.4~1.2 | 68 | オープン |
90ML | 2.74 | 165 | 7~35 | 0.6~1.5 | 67 | オープン |
引用:Daiwa
Major Craft ファーストキャストシーバス
全長(m) | 自重(g) | 適正ルアー(g) | 適合PE | カーボン含有率(%) | 本体価格(円) | |
---|---|---|---|---|---|---|
FCS-862L | 2.63 | – | 7~23 | 0.6~1.2 | – | OPEN |
FCS-862ML | 2.63 | – | 10~30 | 0.8~2.0 | – | OPEN |
FCS-902ML | 2.74 | – | 10~30 | 0.8~2.0 | – | OPEN |
FCS-962ML | 2.93 | - | 10~30 | 0.8~2.0 | – | OPEN |
Major Craft ソルパラ シーバス
全長(m) | 自重(g) | 適正ルアー(g) | 適合PE | カーボン含有率(%) | 本体価格(円) | |
---|---|---|---|---|---|---|
SPX-902L | 2.74 | – | 7~23 | 0.4~1.2 | – | 8400 |
SPX-862ML | 2.59 | – | 10~30 | 0.6~1.5 | – | 8400 |
SPX-902ML | 2.74 | – | 10~30 | 0.6~1.5 | – | 8600 |
SPX-962ML | 2.93 | – | 10~30 | 0.6~1.5 | – | 8900 |
Major Craft ソルパラ WIND
全長(m) | 自重(g) | 適正ルアー(g) | 適合PE | カーボン含有率(%) | 本体価格(円) | |
---|---|---|---|---|---|---|
SPX-832MW | 2.53 | – | 7~21 | 0.6~1.5 | – | 8400 |
SPX-862MW | 2.63 | – | 7~21 | 0.6~1.5 | – | 8600 |
SPX862MHW | 2.63 | - | 10~28 | 0.6~1.5 | – | 8800 |
引用:Major Craft
いかがですか?条件を「1万円以下、8~9ft、MLかM」に絞ってもこれだけ種類があるんです。
実際にはまだまだありますが、私のおすすめとしてこれだけ紹介させていただきました。
おなじMLでも、メーカーによって適正ルアー重量が違うことも分かりますね。
適正ルアー重量を基準に選びましたので、一部硬さがLのものもあります。
また、バリューやオープンといった表示は、メーカーからの希望小売価格が設定されていません。
市場価格を調べてみたところ、だいたい5千円~8千円くらいで販売されているようです。
このような感じで自分である程度の的を絞ったうえで、釣具店の店員さんに教えてもらうと話が伝わりやすく、間違って変なロッドを購入してしまう心配もなくなるでしょう。
まとめ
釣り初心者が初めて買うべきシーバスロッドの選択肢を絞りやすくするために、ここまで説明してきました。
ロッドは大きく分けて2種類
- スピニングリール用
- ベイトリール用
- 初心者はまずスピニングリール用
ロッドの長さ
- 短いロッドより長いロッドの方が、ルアーを遠くに飛ばせる
- 長いロッドより短いロッドの方が、扱いやすい
- 8~9ftがおすすめ
ロッドの硬さ
- 基本的に7種類ある
- 狙う魚の大きさで変わる
- 使うルアーの重さで変わる
- MLかMがおすすめ
ロッドの重さ
- 重いほど疲れやすい
- 軽いほど扱いやすい
- 軽いロッドほど高くなる
一万円以下のお勧めロッド
- SIMANO ルアーマチック
- Daiwa ルアーニスト
- Daiwa リバティクラブ シーバス
- Major Craft ファーストキャストシーバス
- Major Craft ソルパラ シーバス
- Major Craft ソルパラ WIND
魚釣りの魅力は、ロッドを購入するところからすでに始まっています。
自分で調べ、自分で的を絞り、釣具店で実際に気になるロッドを持ってみたり、店員さんに聞いてみたり・・。
分からないながらもこだわって自分で選んだロッドで釣れた1匹と、適当に店員さんに勧められるがまま購入したロッドで釣れた1匹では、全く価値が違います。嬉しさが違います。
ぜひこだわりぬいた「無難な竿」でシーバスや他の魚をたくさん釣り上げて下さい。
ぜひ一つの場所だけでなく、港、サーフ、磯など、様々な場所で「無難な竿」を使いこなして下さい。
かならず見えてくるものがあります。自分の好みも分かってきます。
それが見えてきたらいい値段のものを検討してみてください。
本当のロッドの奥の深さが分かるようになっているはずです。
また一段と魚釣りが楽しくなるはずです。
お役に立てれば幸いです。良い釣り人生を過ごしてくださいね。
シーバス釣るにしてもまず必要なのがロッドになります。
しかし、シーバスはルアー釣りの定番でもあるので正直種類はかなり多いです。
どれを選べばいいかわからない方もいると思いますので、釣り仲間の事例を交えて紹介しますね。