地域によってはアブラメ、アブラコとも呼ばれているアイナメ。
私も冬になるとアイナメ釣りに出かけます。焼いてもお刺身にしても美味しいんですよね。
さらに、消化にもいいので離乳食にも最適です。
今回はおすすめのアイナメ料理のレシピと離乳食のレシピをご紹介します。
難しいことはありませんので、普段はあまり料理をしないというパパさんも、
自分で釣ったアイナメを自分で料理して、ぜひお子さんに食べさせてあげてください。
目次
そもそもアイナメってどんな魚なの?
アイナメは体長30〜40cmの中型の魚で、実はホッケの仲間ですが、庶民的なホッケとは違いアイナメは高級魚です。
寒い時期に一部を除く日本各地で釣れ、脂の多い魚で地域によっては「アブラメ」とも呼ばれるほどです。
晩秋から冬にかけてが一番脂が乗って美味しい旬の時期になります。
味に癖がなく、高級魚にふさわしいとても上品な味がします。食感は刺し身で食べるとコリコリしており、加熱するとふっくらします。
お腹にも優しく、離乳食にも最適です。
私の釣り仲間にも、
「子どもに絶対アイナメを食べさせたい!」
と言ってアイナメ釣りに行った親バカがいました。
釣った後の魚は絶対締めよう
魚を釣った後の締めるのは非常に大事なことです。締めないと美味しさが半減します。
「なんでや!クーラーボックスに入れておけばいいやんけ!!」
確かにその方が手間はかかりませんね。しかし、美味しいかどうかはまた別の話です。
ちょっと魚の話からは脱線し、お肉の話をします。
皆さんは高級地鶏の比内地鶏はご存知でしょうか?
強い弾力とまるでキジ肉のような深いコクと香りが特徴の鶏肉です。
私も食べたことがありますが、味付けは塩だけでも十分味が濃く、スーパーの鶏肉とはまるで違います。
そんな比内地鶏は普通の鶏とは違い鳥小屋ではなく、放し飼いで飼育され適度な運動をし、ストレスのない環境で育っています。
日本が世界に誇る和牛も、三元豚も、限りなくストレスゼロに近い環境で飼育されています。
ストレスというのはそれほどに肉質に影響を与えるのです。
魚も同じです。
わけもわからず釣られ、自分の身丈ほどの狭いクーラーボックスに閉じ込められて、ストレスを感じないわけがありません。
さらに、魚は逃げ出そうとして本能的に暴れまわります。
自分の身が傷つくことも気にしないでしょう。
そして、家に帰ってクーラーボックスを開けると、そこには大きなストレスを受け、身もボロボロの魚があるわけです。
そんな魚、果たして美味しいでしょうか?釣り人なら、せっかく釣った魚は美味しく食べてあげたいものです。
そんなことにならないためにも、ストレスを極力与えないように締めて、しっかりと血抜きをし、持ち帰りましょう。
アイナメの締め方
おすすめの締め方は神経締めです。神経締めのメリットは2つあります。
- 死後硬直までの時間が長くなり、鮮度が長持ちしやすい。
- ストレスを受けることで減少する旨味成分(ATP)の減少を最小限にする。
少し難しい締め方ですが、慣れてしまえば簡単にできてしまいます。
- 魚の眉間を狙ってキリやアイスピックなどを刺し、脳を破壊する。
- 開けた穴からワイヤーを差し込み脊髄に入れていく。
- ワイヤーを抜き、エラの動脈にナイフを入れ、バケツの中などで血抜きをする(心臓が止まる前に行えると◎)
通常の活け締めだと、3.の工程のみですが、脳を破壊する工程を追加することにより、魚の鮮度を落としづらくできます。
ちょっと残酷に思えるかもしれませんが、これも命をより美味しくいただくため、
そして、魚に苦痛をなるべく与えないために先人が編み出した技です。
みなさんも覚えてみてくださいね。
魚の種類によって神経締めのやり方は異なりますので、詳しくはyoutubeで「魚種 神経締め」で調べてみてくださいね。
アイナメのさばき方
アイナメは特に変わった形状の魚ではないのでさばける方はいつも通りさばいてしまって問題ありません。
「魚なんてさばいたことなんてないよ!!」
という方向けにアイナメのさばき方を紹介します。
どんな魚でも基本はこのさばき方なので、これさえマスターすれば大抵の魚はさばけるようになりますよ。
- ウロコをしっかり取る。
- 内臓を傷つけないように気をつけて、頭を落とす。
- 腹に切れ目を入れ、頭と一緒に内臓を引き出す。
- 腹から包丁を入れ、中骨に沿って尾びれまで切れ目を入れる。
- 同様に背中から包丁を入れ、尾びれまで切れ込みを入れる。
- 仕上げの包丁を入れ、身と中骨を分離させる。
- 裏側も同様に身を取る。 ← 刺し身でない場合はここまででOK!
- ピンセットで骨を取る。
- 骨切りをする。
下の動画でも詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
いかがですか?ポイントは2つです。
- 頭と一緒に内臓をキレイに引き抜くこと。
- 腹と背に切り込みを入れ、最後に中を切って身を取るようにすること。
- よく切れる包丁を使うこと。
三枚おろしと言われるさばき方です。
難しいと言われる三枚おろしですが、それはおそらく、やり方を知らないだけです。
私は釘打ちをしている時、釘より指を打つ回数が多いくらい不器用ですが、魚はさばくことができるようになりました。
よほど大型の魚でない限りこのさばき方で対応できまので、ぜひマスターしてみてください。
アイナメはこの後に皮を剥ぐこともあるんですが、個人的には皮は付けたままにしてもらいたいです。
アイナメは皮のすぐ下にある身がとっても美味しいんです。
皮を剥がしてしまうと、そこの一番美味しいところまで一緒にとれてしまいます。
どうしても気になる方は剥がしてしまってもいいですが、できるだけ剥がさずに食べてみてください。
アイナメのおすすめレシピ
アイナメは基本的にどう調理しても美味しい魚です。
強いて言うなら、美味しい脂を味わうために、できるだけ生で食べることをおすすめします。
アイナメのお刺し身 〜もみじおろし添え〜
材料(1人前)
- アイナメ(1切れ)
- 大根(消しゴムくらいの大きさ2欠け)
- 鷹の爪(1本)
作り方
- 下処理をしたアイナメをそぎ切りにする。(めんどくさければぶつ切りでもいいですよ)
- 種を取って水でふやかした鷹の爪を大根で挟んでおろす。
薄めに切ったほうが食感よくなりますが、結構難しいので私はぶつ切りにしてしまうことも多いです(笑)
アイナメは脂多い魚ですので、さっぱりしてぴりりと辛い紅葉おろしがよく合います。
アイナメの炙り
材料(1人前)
- アイナメのお刺身(1人分)
- ポン酢(適量)
- 岩塩(適量)
- ガスバーナー(1個)
作り方
- アイナメのお刺身の皮目をバーナーでこんがり炙る。
作り方を書くまでもありませんでしたね。これの危険なところはいくらでも食べられてしまうところ(笑)
炙ることにより皮がパリパリとし、香ばしくなります。
さらに皮目の美味しい脂が浮き出て、身の余分な脂が落ちるので全くしつこくありません。
醤油やポン酢でももちろん美味しいのですが、おすすめは岩塩です。岩塩が脂の甘みを引き立てます。
アイナメのなめろう
材料(1人前)
- アイナメのお刺身(1人前)
- みそ(大さじ1)
- 長ネギ(1/2本)
- 生姜(小さじ1/2)
作り方
- アイナメのお刺身を細く切る。
- みじん切りにした長ネギと味噌を入れ包丁で叩く。(結構飛び散るので注意!)
- アイナメが細かくなり、全体が混ざってきたら生姜を入れ混ぜ合わせる。
昔、地元の漁師さんに教えてもらったレシピです。
誇張でもなんでもなく、これさえあればご飯が何杯でも食べられるますね。
ご飯の上にのせ、白ごまをふりかけ、だしをかければ最高のお茶漬けになります。
ペースト状にならないように気をつけて作ってくださいね。
アイナメのアラ汁
材料
- アイナメのアラ(一匹分)
- 塩(少々)
- 水(300cc)
- 薄口醤油(大さじ1)
- ネギ(適量)
作り方
- アイナメのアラに熱湯をかけ、ヌメリや血を洗い流しておく。
- アイナメのアラと水を鍋に入れ中火で加熱する。
- 沸騰する前に弱火にし、ネギを加える。
- 薄口醤油を加え、味を見ながら塩を加える。
アイナメはアラにも旨味が詰まっています。どうせなら全部美味しくいただきましょう。
アラは焼いても美味しいんですが、煮込めば旨味は逃げずに汁に溶け出し、
塩と少しの醤油だけしか入っていないとは思えないほど濃厚な味がします。
生食する際の注意 〜アニサキスの恐怖〜
さあ、美味しく魚を生食しましょう!!……という時に脳裏のよぎるのは憎きあいつの姿ですね。
白く細長い身体に、我々哺乳類の消化器官を穿つ鋭い口、そう、アニサキスです。
私の友人の中にも、アニサキスに当たって救急病院に駆け込んだことがある人も何人かいます。
まるで、腹部が焼けるような激しい痛みと吐き気に襲われるそうです。
死ぬことはありませんが、なるべく感染したくないですね。
海の魚を生食する以上はどうしても寄生虫リスクはつきものです。
しっかりと加熱をすればアニサキスは死滅するので、リスクはほぼなくなるのですが、
せっかくお刺身が美味しいアイナメ、生で食べたいですよね。
加熱以外では、逆に冷凍してしまうという方法もあります。
厚生労働省は-20℃以下で24時間冷凍すれば、アニサキスは死滅するとしています。
しかし、家庭用冷蔵庫では、-20℃までに下がるものは殆ど無いので、念のため48時間は凍らせましょう。
それともう一つ大事なのが、内臓の処理と鮮度です。
アニサキスは消化器に寄生する寄生虫なので、理屈としては、内臓を破かずに除去できれば身にアニサキスはつきません。
しかし、アニサキスは魚の鮮度が下がると、筋肉の方に移動する習性があります。
内臓はなるべくすぐ抜いてしまい、生食するときは新鮮なうちに食べてしまいましょう。
そして、最後に、目視での確認も忘れないでください。
アニサキスは目で見える程度の大きさはありますので、見つけてピンセットで引っこ抜いて除去してください。
アニサキスは本来、人間に寄生することない寄生虫で、食べたところで寄生しないか胃液などで死んでしまうことが多いです。
しかし、極稀に、抵抗力の弱っている人や、お年寄りや小さな子どもなどにあわてんぼうのアニサキスが寄生することがあります。
そういった方たちにはなるべく、釣った生の魚は与えないのが無難でしょう。
離乳食にもおすすめ!
アイナメは消化にもよく、味に癖もないのでお食い初めや離乳食にもおすすめです。
今回はママとパパも食べて美味しいレシピをご紹介します。
分量は大人用の分量ですので、お子さんに与えるときは様子を見ながらあげていってください。
アイナメのほぐし身
材料(1人前)
- アイナメ(1/2切れ)
作り方
- アイナメを15分ほど茹でる。(中までしっかり火が通ったらOK)
- 小骨を丁寧に除去してすりつぶす
火が通せれば茹でても蒸しても焼いてもレンジでチンしてもいいんですが、ふっくら感が増すのは蒸す用法です。美味しくなりますよ。
骨が刺さってしまうと危険ですので、骨は丁寧に除去してください。
小さな子どもには素材の味を味わわせてあげてくださいね。
アイナメ粥
材料(1人前)
- アイナメ(1/4切れ)
- お米(1/2カップ)
作り方
- アイナメを茹でてほぐして骨を取っておく。
- お米をさっと洗い鍋に水をいれ、20〜30分漬けておく。
- 鍋にほぐしたアイナメを入れ蓋をし、強火にかけ沸騰したら蓋をずらし弱火にし、30〜40分煮る。
- お米が柔らかくなったら、10分蒸らす。
お粥なら消化にもよく、アイナメの旨味が染み込んでいるので美味しく食べられます。
大人が食べるときに、塩気が足りなかったら少し塩を足してみてください。
まとめ
神経締めのメリットは、
- 死後硬直までの時間が長くなり、鮮度が長持ちしやすい。
- ストレスを受けることで減少する旨味成分(ATP)の減少を最小限にする。
神経締めの方法は、
- 魚の眉間を狙ってキリやアイスピックなどを刺し、脳を破壊する。
- 開けた穴からワイヤーを差し込み脊髄に入れていく。
- ワイヤーを抜き、エラの動脈にナイフを入れ、バケツの中などで血抜きをする。
アイナメのさばき方は、
- ウロコをしっかり取る。
- 内臓を傷つけないように気をつけて、頭を落とす。
- 腹に切れ目を入れ、頭と一緒に内臓を引き出す。
- 腹から包丁を入れ、中骨に沿って尾びれまで切れ目を入れる。
- 同様に背中から包丁を入れ、尾びれまで切れ込みを入れる。
- 仕上げの包丁を入れ、身と中骨を分離させる。
- 裏側も同様に身を取る。 ← 刺し身でない場合はここまででOK!
- ピンセットで骨を取る。
- 骨切りをする。
アイナメのおすすめレシピは
- アイナメのお刺し身 〜もみじおろし添え〜
- アイナメの炙り
- アイナメのなめろう
- アイナメのアラ汁
魚に火を通さずにできるのアニサキスの対策は、
- 冷凍庫で48時間以上冷凍すること
- 内臓をしっかり処理すること
- なるべく新鮮な状態で食べること
- 目視でしっかり確認すること
アイナメを使ったおすすめの離乳食は
- アイナメのほぐし身
- アイナメ粥
アイナメはこれからが旬の美味しい魚で、さほど難易度が高い魚でもありません。
刺し身で食べると格別に美味しいのですが、やはり怖いのがアニサキスーー。
しかし、適切な処理さえすればアニサキスのリスクを低く抑えることができます。
私も長い間自分で釣った海の魚を食べていますが、アニサキスに当たったことはありません。
小さなお子さんも美味しく食べられる魚だからこそ、丁寧に処理をして美味しく食べましょう。
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